写真●左からNTTデータの山下徹社長、東京工業品取引所の南學政明社長、OMXテクノロジーABのラース・ウッタースグード社長
写真●左からNTTデータの山下徹社長、東京工業品取引所の南學政明社長、OMXテクノロジーABのラース・ウッタースグード社長
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 東京工業品取引所は2009年5月7日、新取引システムを稼働させた。午前8時30分からの注文受付、午前9時からの立会開始のいずれも正常に処理が終わった。新システムはスウェーデンのOMXテクノロジーのパッケージソフトを使ってNTTデータが構築した。東工取の南學政明社長(写真中央)は「新システムでは夜間取引が可能になるので多様な人々の市場参加を促せる」と期待を語った。
 
 新システムによって、注文のレスポンス時間10ミリ秒(100分の1秒)以内が可能になる。当面の立会時間は日中が午前9時から午後3時30分まで、夜間が午後5時から午後11時まで(ゴム市場は午後5時から午後7時まで)だが、システム上は24時間取引も可能という。

 4月7日に公表したシステム障害時に発生する不具合に関して、南學社長は「解消済み」と改めて強調した(関連記事)。

 南學社長は東京穀物商品取引所との新取引システムの共同利用にもついて言及した。システム的には共同利用は可能との認識を示し、「東穀取が新取引システムの共同利用を真剣に考えているなら、相談に応じる準備はある」とコメントした。

 OMXテクノロジー製のパッケージソフトは北欧やアジア諸国の取引所で採用実績がある。日本でも大阪証券取引所が2010年度上期に稼働予定の次期戦略システムに採用する方針を固めている。

■変更履歴
公開当初、タイトルと第一パラグラフで「国内の取引所が中核システムにパッケージソフトを使うのは初めて」といった旨の記述をしていましたが、事実と反していました。お詫びして訂正します。本文は修正済みです。 [2009/05/07 16:30]