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 米Amazon.comは米国時間2009年5月6日,画面サイズを9.7インチに大型化した新たな携帯型電子書籍リーダー「Amazon Kindle DX」の予約販売を開始した。新モデルはPDF文書の表示が可能になったほか,表示方向の自動回転機能を追加し,メモリー・サイズを3.3Gバイトに増やした。予約は同社のWebサイトで受け付ける。価格は489ドル。出荷開始は2009年夏の予定。

 また米New York Times紙,米Boston Globe紙,米Washington Post紙は宅配地域外の居住者限定サービスとして,2009年夏よりKindle DXの割り引き販売とKindle DX版紙面の長期契約をセット提供する。

 Kindle DXの画面は白黒16階調表示の電子ペーパー。既存モデル「Kindle 2」の6インチに比べ面積が2.5倍に広がった。紙に印刷した文字と同じように反射光で読めるため,バックライトを使っておらず,目が疲れにくいという(関連記事:Amazon,電子書籍リーダーの新製品「Kindle 2」を発表,359ドル)。

 米Adobe Systemsの「Adobe Reader Mobile」技術を採用し,PDF文書を表示できるようにした(関連記事:Adobe,携帯端末でPDF表示を可能にするソフト開発キットを発表)。Kindle DXへのPDF文書転送は,ほかの形式の文書と同じくKindle用電子メール・アドレスかUSB経由で行う。

 文書の表示方向は,Kindle DXの持ち方に応じて自動的に変わる。横向きに持って画像や表を横長画面で見やすく表示したり,右手持ちや左手持ちに合わせて表示方向を反転したりできる。既存モデルで2Gバイトだった文書保存用メモリーは3.3Gバイトに拡大し,最大3500タイトルの電子ブックを持ち歩けるとしている。

 第3世代(3G)携帯電話ネットワーク通信など,そのほかの機能は既存モデルを踏襲する。Amazon.comの販売サイト「Kindle Store」では電子ブック27万5000タイトル以上を用意している。

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