富士通は2009年4月30日、2009年度3月期決算を発表した(関連記事:「2期連続は絶対に避ける」、巨額最終赤字の富士通・野副社長が説明)。

 会見での一問一答は以下の通り。質問には、代表取締役社長の野副州旦氏と経営執行役上席常務(CFO)の加藤和彦氏が回答した。

米オラクルの米サン・マイクロシステムズ買収に伴う影響は。SPARCプロセッサを今後も続ける覚悟はあるのか。

野副氏:既存顧客のUNIXアプリケーション資産を守る意味でもラインアップを維持する。ただし、具体的にどうするかは、オラクルのサン・マイクロシステムズ買収案件の決着次第となる。

事業方針としてソフトウエアサービスへの集中を掲げているが、その方向性は野副社長の経歴と関連があるのか。

野副氏:基本的に関係はない。社長就任時に事業ポートフォリオを描き、ソフトウエアサービスへの集中を決定した。構造改革によりどのような企業体制を実現すべきかを考えた結果だ。

電子部品メーカーであるFDKの連結子会社化は、ソフトウエアサービスへの集中という社長の方針と矛盾するのでは。

野副氏:FDKは財務が危機的な状況にある。富士通としてどのような対策をとるべきかを考えた結果、経営体制の見直しを通じて立て直しを図るべきであると判断した。

加藤氏:FDKは財務の弱さが欠点だ。富士通が同社を連結子会社化し、リストラ資金を注入する必要があった。見放すと富士通に大きな損失が生じる。

2009年度も業績は半導体事業の業績次第か。

野副氏:その通りだ。2009年度もかなり厳しいと予想している。

2009年度中に半導体事業をさらにリストラするのか。

野副氏:追加的な構造改革が必要だ。2010年度には利益を出すため、さらに一段も二段も踏み込んだ構造改革を実現していくつもりである。

中国政府が、セキュリティ製品の技術情報の開示を求める制度の導入を目指している。業績への影響は。

野副氏:政府間交渉が不透明なためコメントできない。ただ中国マーケットの動向に俊敏に対応できる体制にしている。