ヤフーは2009年4月28日、2008年度(2009年3月期)通期の連結業績を発表した(関連記事)。広告事業の売上高は1388億円。ヤフーは同年度より売上高の算出方法を、バナー広告の代理店手数料や広告掲載の提携サイトに払うコストなどを除いた「ネット表示」に変更した。前年度と同様に手数料なども含めた「グロス表示」で広告事業の売上高を比較すると、前年度比25.0%増の1638億円となる。2008年3月期の同46.9%増と比べて伸び率は低下した。

 広告事業の内訳では、行動ターゲティングや属性ターゲティングの広告が同2倍以上の伸び。地域ターゲティングも約3割増加した。行動ターゲティングは不動産・建設、金融・保険・証券、自動車関連、属性ターゲティングでは化粧品・トイレタリーや美容関連、地域ターゲティングでは交通・レジャー関連からの出稿が伸びたという。

 サイズが大きく視覚効果も高い「プライムディスプレイ」広告の売上高も同2.5倍になった。

 検索連動型広告はオーバーチュアを子会社化して、ヤフーグループ以外の提携サイトも広がった結果、売上高は同4割増となった。ケータイの検索連動型広告は同2.7倍となった。

 2009年1-3月期に限定すると、2008年度後半の景気の落ち込みで、「ディスプレー広告(バナー広告)だけで見ると対前年で減少した」(ヤフー代表取締役社長の井上雅博氏)という。「第4四半期末の駆け込みが非常に少なかった」(同社取締役最高財務責任者の梶川朗氏)のが原因だという。

 一方で、「興味関心連動型広告(インタレストマッチ)や検索連動型広告は拡大を継続できた」(井上氏)としながら、検索連動型広告でも求人系など一部の業種では広告出稿が大きく減少したという。

 その結果、2009年1-3月期の広告事業の売上高(グロス表示)は前年同期比3.7%増にとどまった。広告事業に占める「スポンサードサーチ」や「インタレストマッチ」など検索連動型広告系の商品の売上高比率は「67~68%になる」(梶川氏)という。

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