アジア・北米を中心に高級ホテルを運営する香港上海ホテルズは、2009年秋に開業予定の「ザ・ペニンシュラ上海」に、音声とデータを統合したフルIPのネットワークシステムを導入する。館内のほとんどのエリアで無線LAN接続が可能で、無線LANネットワークシステムとしては中国最大規模という。NECが2009年4月30日にシステムの受注を発表した。

 ザ・ペニンシュラ上海は宿泊者向けのホテル棟と、居住者向けのレジデンス棟からなる。新システムでは客室や居室からルームサービスやクリーニングの依頼があると、すぐにホテル側のサーバーが適切な担当者を割り出し、その従業員の無線IP電話機に業務指示メッセージを送る。宿泊者がチェックイン・チェックアウトした際も、フロア担当者に自動でメッセージを送るため、歓迎用ドリンクの用意や室内清掃の手配が素早くできるという。

 IP電話サーバーはNECの「UNIVERGE SV8500」を採用。無線LANアクセスポイントは同じくNECの「UNIVERGE WL 1500-AP」2000台を導入しており、エレベーターやバルコニーを含む館内の99.9%のエリアで無線LANがつながるという。

 NECは2007年に東京で開業した「ザ・ペニンシュラ東京」にも、音声・データ統合ネットワークシステムを納入している。