富士通は2009年4月24日、新手のデータ利活用支援ソフトを発表した。多種類で大量の非構造化データをファイルのまま蓄積し、ビジネスインテリジェンス(BI)ツールなどから利用可能にする。一般的なリレーショナルデータベース(RDB)ソフトと異なり、事前に構造を設計せずにデータを蓄積できる。楠本博巳 開発企画統括部プロジェクト統括部長は「スキーマやインデックスの設計が必要ないため、種類や検索項目が頻繁に変わるデータの蓄積に向く」と話す。病院や薬局で作成する大量のレセプト(診療報酬明細書)データの保存などの用途を想定する。

 新製品「Interstage Information Storage」を7月末から出荷する。基幹業務データの履歴やマーケティングデータ、操作ログなど様々なデータを蓄積し、検索や分析に用いる。データはCSVもしくはXML形式で保存する。

 制御用サーバー、抽出用サーバー、ストレージの3つを制御する。制御用サーバーはどのファイルがどこに保存されているといったことを管理する。抽出サーバー、ストレージを増設すれば、性能向上が可能だ。

 併せて各種のデータソースからデータを収集するためのソフト「Interstage Information Integrator」も発表した。一般的なETL(抽出・加工・転送)ツールと異なり、「データ形式変換の定義を決めたり、その定義を変更する際の作業が容易だ」(今村浩一データマネジメント・ミドルウェア事業部事業部長)。ETLツールを使用する場合は製品特有のGUIの使い方を覚えなくてはならないが、Interstage Information Integratorはエクセル同様に操作できる「デザインシート」を使って作業ができる。

 Information StorageとInformation Integratorを組み合わせて使えば、アプリケーションを変更することなくRDBから利用することが可能になる。価格はInformation Storageが450万円から、Information Integratorは150万円から。