富士通は2009年4月23日、SaaS事業の強化を発表した。業種別アプリケーションや、大手企業向けに個別に開発したアプリケーションなどもSaaS形式で提供する。これまではグループウエアのような特定業種によらないアプリケーションが中心だった。今後4年間で計3000億円をSaaS関連で売り上げる目標を掲げる。

 9月までに「農業法人向け経営管理」や「自治体向け電子調達」、「製薬メーカー向け治験業務支援」など11種類をSaaSで提供する。これにより同社が提供するSaaSは30種類に増える。

 大手企業向けに個別に開発していたアプリケーションのSaaS展開も図る。これまでのSaaSは、パッケージアプリケーションをサービスとして提供するものが中心だった。

 個別開発アプリケーションをSaaS化したものを「プライベートSaaS」と呼ぶ。サーバーなどは富士通のデータセンター内で運用する。アプリケーションを利用できる対象を、開発を依頼した企業やそのグループ会社、取引先などに限定する。

 今後、個別開発のアプリケーションをSaaS化する上での「開発ガイドライン」を作る。同業務に精通したSEもグループ全体で1000人育成する。2008年9月に設置した「SaaSアプリケーションプロジェクト室」を中心に事業を推進する。