富士通は2009年4月23日,中堅企業向け人事・給与ソフトの新版「GLOVIA smart人事給与 C V3」の販売開始を発表した。すぐ使える画面やデータ項目を豊富に用意することで,カスタマイズや設定などの作業工数を減らした。「平均6カ月程度だった導入期間が4カ月程度になった」と古瀬健二産業・流通ソリューション本部GLOVIAビジネス統括部プロジェクト課長は説明する。

 価格も前バージョンのV2から2~3割引き下げた。従業員100人で70万円からとなった。GLOVIA smart人事給与 Cの導入実績は累計2000社ほど。今後3年間でさらに1000本を販売したい考えだ。

 V3では追加コストが発生しないよう,簡単なカスタマイズをユーザー自身ができるようにした。例えば,人事情報を管理するための「保有資格情報」「所属履歴」といった情報項目を1500種類用意しているが、ここにユーザーが500種類まで独自の情報項目を追加できるようになっている。また情報項目ごとの入力・管理画面も改良し,1画面当たり30個まで独自データを追加できるようにした。

 独自の機能として,富士通の人事部門と共同で開発した「照合表」を搭載した。人事・給与関連業務に多い照合作業を極力減らすために開発したもので、特許を取得済み。全従業員データの中から,最近更新されたものや最近追加されたものだけを抽出してから照合することで作業量を大幅に減らせるという。

 今回,複雑な給与規定への対応として,「過去の残業実績を参照しながら当月の残業単価を決めて給与を確定する」といった作業ができるようにした。「ユーザーからの要望が多く,これまではカスタマイズで対応することが多かった機能」(古瀬課長)という。