クアッドコアCPU×2個の新ハードウエア「BIG-IP 8900」
クアッドコアCPU×2個の新ハードウエア「BIG-IP 8900」
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 F5ネットワークスジャパンは2009年4月23日,Web高速化/負荷分散装置「BIG-IP」向けソフトウエアの新版「BIG-IP v10」を発表した。新たに,WANをはさんだ2台のBIG-IP間でデータを転送できるようになった。BIG-IPユーザーは同日付でソフトウエアを新版にアップグレードできる。併せてラックマウント型では最上位となる新ハードウエア「BIG-IP 8900」(写真)の提供を開始した。

 ソフトウエア新版の特徴は,データセンター間の通信機構。2台のBIG-IPをWANを介して遠隔拠点に対向配置し,この2台の間で専用の通信トンネルを確立する。これにより拠点間のサーバー同士のデータ・レプリケーションを効率化できる。クライアントから遠隔拠点のサーバーへのアクセス効率も上がる。

 クライアントからのアクセスでは,2つの拠点に物理的に分散しているサーバー群を,あたかも単一の拠点であるかのように見せかけることが可能になる。ある拠点のユーザーが,同一拠点のBIG-IPを介して,別の拠点のBIG-IPの配下にあるサーバーにアクセスするといった使い方ができる。BIG-IP間の通信はデータ圧縮/重複排除やアプリケーション単位のQoSなどの機能を持つため,クライアントから直接遠隔拠点につなぐよりも効率がよい。

 新ハードウエアのBIG-IP 8900は,同社のWeb高速化装置の現行機種全5機種のうち,ラックマウント型では最上位となる機種。クアッドコアCPUを2個搭載する。性能は,レイヤー7でのスループットが12Gビット/秒,HTTPデータ圧縮(gzip/deflate)が8Gビット/秒,SSLが5万8000トランザクション/秒。

 価格は2200万円程度。これまでの最上位機種「BIG-IP 6900」(デュアルコアCPU×2,スループット6Gビット/秒,1370万円)の上位に位置する。