左から講談社デジタル事業局局長の吉羽治氏、ECナビ代表取締役CEOの宇佐美進典氏、朝日新聞社デジタルメディア本部本部長の大西弘美氏、朝日新聞出版開発統括の篠崎充氏、小学館マーケティング局ネット・メディア・センターゼネラルマネージャーの小室登志和氏
左から講談社デジタル事業局局長の吉羽治氏、ECナビ代表取締役CEOの宇佐美進典氏、朝日新聞社デジタルメディア本部本部長の大西弘美氏、朝日新聞出版開発統括の篠崎充氏、小学館マーケティング局ネット・メディア・センターゼネラルマネージャーの小室登志和氏
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朝日新聞社、講談社、小学館などが開始した「kotobank」
朝日新聞社、講談社、小学館などが開始した「kotobank」
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 朝日新聞社デジタルメディア本部、講談社、小学館、朝日新聞出版、ECナビの5社は2009年4月23日より、約43万語を収録した用語解説サイト「kotobank」を開設する。ユーザーの閲覧は無料で、検索連動型広告による収入を見込む。2009年度に1億円の売り上げを目指すとしている。

 kotobankは朝日新聞出版の「知恵蔵2009」、講談社の「デジタル版日本人名大辞典+Plus」、小学館の「デジタル大辞泉」など44辞書から構築された約43万語のデータベースを閲覧・検索できるサイト。検索結果にはオーバーチュアの検索連動型広告「スポンサードサーチ」を表示する。

 広告収入は、検索もしくは表示されたキーワードのコンテンツを提供する出版社間でシェアする仕組み。同ビジネスモデルを共通プラットフォームとして、用語辞典などを持つほかの出版社にも広く参加を促していく考えを示し、「3年後には200万語まで増やしていきたい」(朝日新聞社デジタルメディア本部本部長の大西弘美氏)という。

 自由国民社の「現代用語の基礎知識」、朝日新聞出版の「知恵蔵」、集英社の「イミダス」といった新語解説本は最盛期には約350万部を超える市場規模まで成長したものの、徐々に販売部数が減少。「イミダス」は2006年11月をもって休刊、「知恵蔵」も2008年6月からWebサイトでの展開に切り替えていた。朝日新聞社の大西氏は「信頼性の高い日本最大の用語解説サイトを目指す」としており、今後はこうした他出版社も積極的に取り込んでいくとみられる。

 同様の用語解説サイトにはユーザー同士で編集して作り上げる無料百科事典「Wikipedia」がある。kotobankでは、年度に1回という従来の紙の用語辞典の更新頻度よりも早めたいとしており、大きな出来事が発生した際には逐次更新する体制にしていく考え。

 朝日新聞社は2009年2月12日に、トムソン・ロイター・ジャパンなどとアドネットワーク事業を開始している(関連記事)。「現時点では別事業として展開しているが、検索連動型広告に加えてバナー広告など別の収益源を確保していく際には連携をとる可能性は十分ある」(朝日新聞社デジタルメディア本部編成セクションサイトディレクターの北元均氏)という。