近距離無線規格Bluetoothの標準化団体Bluetooth Special Interest Group(SIG)は2009年4月22日,新規格「Bluetooth Core Specification Version 3.0 High Speed」(Bluetooth 3.0)を正式発表した。無線LAN規格IEEE 802.11向けのProtocol Adaptation Layer(PAL)を利用することで,高速化を実現した。

 データ伝送のスループットを約24Mbpsまで高め,映像や音楽,画像など大容量データ・ファイルの移動を可能にする。また,電力管理機能を強化し,省電力化を向上した。

 パソコンと携帯型音楽プレーヤまたは携帯電話間で,大量の音楽ライブラリを同期化したり,プリンタやパソコンに多数の画像をダウンロードしたり,デジカメや携帯電話からパソコンやテレビにビデオを伝送したりするなどの無線接続利用を想定する。

 現行規格のBluetooth 2.1 EDRで提供しているペアリング技術「Simple Secure Pairing」などを継承し,従来と同様に下位互換を保持する。

 Bluetooth 3.0に準拠した製品は,9~12カ月以内に市場に登場する見通し。 米Atheros Communications,米Broadcom,英Cambridge Silicon Radioなどが対応チップの開発に着手しているという。

 Bluetooth 3.0の詳細な資料はBluetooth SIGのWebサイトを通じて入手できる。

[発表資料へ]

■変更履歴
第1段落の最後で「IEEE 802.11のProtocol Adaptation Layer(PAL)を利用することで」としていましたが,その表現ではPALがIEEE 802.11規格の一部のように読めるため,「IEEE 802.11向けのProtocol Adaptation Layer(PAL)を利用することで」に修正しました。 [2009/04/22 13:55]