日本通信は2009年4月21日,NTTドコモから音声通話に関する卸役務を受けることで合意したと発表した。日本通信は2009年2月23日にNTTドコモとの間で音声通話に関する卸役務契約について基本合意書を締結していた。現在は,ロジスティクス面などの細部について最終的な協議を行っている段階だが,主要点の協議が調ったことから開示したという。

 日本通信は,ドコモのFOMA網を活用したデータ通信サービスの提供のため,2008年8月にレイヤー3接続,2009年3月にはレイヤー2接続を実現させ,同社のパートナーであるMVNO事業者や顧客向けに提供してきた。一方でMVNO事業を目指そうとしている事業者や自社製品である機器に通信を内蔵させたいメーカーなど様々な業態から新たなMVNO事業立ち上げの支援を要請されており,その中には音声通話サービスを含む案件もあるという。そのため日本通信はMVNEとしてイネイブラー事業を拡大するためにも音声通話サービスを提供することは極めて重要と判断し,音声通話を卸契約で調達することにしたと,これまでの経緯を説明する。

 日本通信は,モバイル・データ通信を最大限に活用する方法として相互接続によるMVNO事業モデルを提唱し実現してきたという経緯がある。日本通信が主要サービスとして位置づけているのは,今後も「データ通信」であることに変わりはないとしている。しかし,例えばスマートフォンを使用する場合は,音声通話機能もオプションとしては利用したいという顧客ニーズがあり,そのようなサービスを提供したいというMVNO事業者も存在するという。そこでオプションとしての音声通話サービスを,主にイネイブラー事業としてMVNO事業者に提供することで,日本通信のサービスの幅を飛躍的に高め,パートナーとなるMVNO事業者の支援を更に強化する方針である。

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