米Microsoftは米国時間2009年4月20日,メディア配信プラットフォーム「Internet Information Services(IIS)Media Services」の拡張機能「Smooth Streaming」をリリースした。接続環境のバンド幅やパソコンのCPU能力に応じて,ビデオ・ストリーミングの品質をリアルタイムで調整する技術。フルHD(1080p)の動画配信にも対応する。

 Smooth Streamingは,Webブラウザ上でリッチ・コンテンツを表示するためのプラグイン「Silverlight」向けの機能。視聴者側は最小限のバッファリングで,待ち時間なく動画の再生を開始できる。平均視聴時間が伸びるため,メディア企業にとっては広告収入や加入者の増加が期待できる。

 すでに米Akamai TechnologiesがMicrosoftとの提携のもと,共同のパソコン向けHDビデオ・ストリーミング・サービス「AdaptiveEdge Streaming for Microsoft Silverlight」にSmooth Streamingを実装している。同サービスは1月より特定企業向けに技術検証サービスを開始しており,商用サービスは6月に始める予定(関連記事:アカマイとマイクロソフトがHD動画配信で提携)。

 Microsoftによると,今後は小売事業の米HSN,放送事業の米NBCOlympics.comやイタリアRAIをはじめ,米AT&Tや米CDNetworksなどのコンテンツ配信ネットワーク,エンコーディング製品ベンダー,デジタル著作権管理サービス・プロバイダなどがSmooth Streamingの利用を進める予定だという。

[発表資料へ]