米EMCのセキュリティ事業部門RSAは米国時間2009年4月20日,暗号ライブラリ「RSA BSAFE」の無償版「RSA BSAFE Share」を公開した。C/C++版とJava版を用意しており,同社サイトからダウンロードできる。

 RSA BSAFEは,暗号処理の機能をプログラムに組み込むためのツールキット。各種暗号アルゴリズム,X.509形式のデジタル証明書,SSL/TLSのセキュリティ・プロトコルなどを利用できる。今回の無償版は,Windows,Solaris,Red Hat Enterprise Linuxをサポートする。Java版の対応実行環境はJRE 5.0/6.0。コミュニティでの情報交換により無償サポートを行い,希望者は同社から有償サポートを受けることも可能。

 無償版は,HP-UX,AIX,メインフレーム,組み込み機器などのプラットフォームや,FIPS 140およびPKCS #11の規格には対応していない。これらの機能が必要な場合は,有償版の「RSA BSAFE Micro Edition Suite」または「RSA BSAFE SSL-J」を利用する必要がある。

 RSA BSAFE Shareのソフトウエアは,最新の脅威や暗号技術の進化に合わせて,定期的に拡張を行うという。今回の無償版の公開は,ソフトウエア開発者に対するセキュリティ技術の公開とコミュニティの確立を目指す同社の新たな取り組み「RSA Share Project」の一環としている。

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