米Adobe Systemsは2009年4月20日(現地時間),同社が展開するFlashプラットフォームを,ネット接続機能を持つデジタル家電製品に拡張すると発表した。テレビやセットトップ・ボックス(STB),Blu-ray Disk(BD)プレーヤーなどの家電機器向けにFlash技術を最適化し,Flash技術によるデジタル家電向けのHDTV動画配信を実現する。米Atlantic Recordsや米Broadcom,米Comcast,米Disney Interactive Media Group,米Intel,米Netflix,STMicroelectronics, 米The New York Times,オランダNXP Semiconductors,米Sigma DesignsなどのSoC(System-on-chips)ベンダーやOEM事業者,ケーブルテレビ(CATV)事業者,コンテンツ事業者がデジタル家電向けFlash技術への支持を表明した。

 デジタル家電向けFlashプラットフォームは,OEM事業者向けに早急に提供を開始する。家電向けFlashプラットフォームに対応した最初の製品の発売と,SoCプラットフォーム向けのFlashプラットフォームの提供は2009年後半になる見込みである。

 デジタル家電向けのFlashプラットフォームによって,Web配信しているFLVファイル形式のHDTV動画を家電製品で視聴できるようになる。消費者はテレビでもインタラクティブな視聴経験を体験でき,新しい方法でHDTVコンテンツを視聴できるようになる。Flash技術を利用したアプリケーションを使うと,利用者はテレビ番組とWebコンテンツを素早く切り替えながら利用できる。Flash技術を最適化して家電製品に組み込むことで,コンテンツ事業者は数百万台のインターネット接続された家電製品に対して事業を展開でき,またCATV事業者や機器メーカーは新しいサービスや使い勝手のよいユーザーインターフェースを作れるようになるという。デジタル家電向けのFlashプラットフォームは,NABのAdobe Systemsのブースで展示する。

 Adobe SystemsのPlatform Business UnitでGeneral Manager and Vice Presidentも務めるDavid Wadhwani氏は,「デジタル家電向けのFlashプラットフォームはテレビ番組の視聴方法を大きく変える。我々はパソコンや携帯電話機,テレビなど,機器を超えてコンテンツ提供サービスを行うパートナーと一緒に仕事ができることを楽しみにしている」と語った。

 Sigma Designsでvice President for Business Development and Strategic Marketingを務めるKen Lowe氏は「消費者は明らかにFlashベースのHDTV動画やそのほかのリッチなWebコンテンツをテレビで見たいと考えている。Flashの動作環境を我々のSoCソリューションに統合し,インターネットに接続したデジタル家電でよりインタラクティブなユーザー経験を提供できるよう,Adobe Systemsと緊密に開発を行う考えだ」と今後の方針を説明した。

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