[画像のクリックで拡大表示]

 パナソニックは2009年4月20日,2眼式P2カメラレコーダーと3D映像記録機,3D映像の評価が可能なPDPディスプレイを用いて,効率的なフルHD・3D映像制作を可能にする「プロフェショナル用3D映像制作システム」の開発を開始すると発表した。業界初の取り組みとしており,米国ラスベガスで開催の放送機器の展示会「NAB2009」にてコンセプト提案する。

 従来の3D制作システムは,3Dコンテンツ制作者自らが2D映像を取り扱うカメラや記録機などを組み合わせて,3D制作システムとして構築してきたという。パナソニックは,2眼撮像方式の3Dカメラレコーダーと3D映像記録機の開発に着手する。

 2眼式撮像方式により,自然な立体映像が得られるという。加えてP2のメカレスの特長を生かして小型化することで,3D撮影の自由度の飛躍的な向上を図る。またP2フォーマットを活用し,フルHD・2チャンネルの3D映像記録を実現する。

 さらに、ハリウッドなどへの納入実績を活かす形で,プロフェッショナルな映像制作現場で求められる高画質な3DPDPディスプレイを開発し,制作過程での3D映像の目視評価環境の充実を図る。「3D駆動システム」により,左右それぞれの映像をフルHDの動画として再現し,大画面での3D映像視聴を実現する。

 パナソニックによると,ハリウッドにおいて3D映画の制作が増加している。また同社自身もこれまで,2008年9月に世界で初めてブルーレイディスクとPDPテレビを核にした家庭用3Dシアターシステムを提案した。2009年2月には,ハリウッドの3D映画をブルーレイディスクにオーサリング収録するオーサリングセンター「パナソニック ハリウッド研究所アドバンスドオーサリングセンター」を設立するなど,3Dに積極的な姿勢を示してきた。

 なおP2とは,パナソニックが放送・プロダクション業界向けにSDメモリーカード技術を応用して開発した高速アクセス・大容量なプロフェッショナル用半導体メモリーカード「P2カード」を使用した放送用半導体メモリー収録機器システムのことである。カードのリユースによるトータル・メディアコストの削減や,メカレスによるメンテナンスコストの大幅な削減を可能にするとしている。

[発表資料へ]