ライブドアの出澤剛代表取締役社長
ライブドアの出澤剛代表取締役社長
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 「売上高100億円の会社計画達成は堅い」。ライブドアは2009年4月20日,中期戦略と業績に関する説明会を開催。出澤剛代表取締役社長(写真)は,広告収入が好調なことから2009年9月期の売上高として会社計画の100億円を達成する見込みを明らかにした。また,新たに,同社のブログ・サービス「livedoor Blog」のシステムをブログ事業者やメディアに提供する新規事業に乗り出すことを発表した。新サービスの名称は「Blogger Alliance(ブロガー・アライアンス)」で,同日から提供を開始する。

 ライブドアは,2007年4月に持株会社「ライブドアホールディングス」と分社化しインターネット専業の事業会社として生まれ変わった。分社から2期目の2008年9月期には黒字化を達成。2009年9月期も,3月までの2四半期の営業利益が5億4900万円と,すでに前年通期実績である7億2600万円の76%を達成するなど業績は好調だ。

 この好業績をけん引するのは,ポータル・サイトやブログからの広告収入増である。ポータル・サイトのトップページ全面を使った広告や,ブログを活用した口コミPRなど「バナー広告のようにコモディティにならない広告メニューの拡充」(出澤氏)により,同社の現在の広告収入は分社化した当時の2倍に増加したという。ブログ事業との二本柱である企業向けデータセンター事業も堅調で,出澤氏は分社化当初に掲げた中期会社計画(2009年9月期の売上高100億円)の達成は堅いとの見解を述べた。

 また,今後の中期戦略について出澤氏は「技術力をベースにインターネット業界全体のプラットフォームに進化する」と説明。その戦略を支える新規事業として,新サービスの「Blogger Alliance」を発表した。

 Blogger Allianceは,(1)同社のブログ・サービス「livedoor Blog」のシステムをサービス化し共通プラットフォームで複数のブログ事業者に提供する「livedoor Blog ASP」と,(2)共通プラットフォーム上で連結したブログ・サービス集団を利用した口コミ広告をネット・メディアやマスメディアと共同販売する「BR Media Partner(BR)」--の2つの事業で構成する。

 livedoor Blog ASPは,livedoor Blogの機能をモバイル版も含めて提供するASP(アプリケーション・サービス・プロバイダ)型のサービスである。インフラとしては,livedoor Blogのデータセンターを利用する。ドメインやデザインはカスタマイズ可能。広告収益のシェアを前提として,口コミ広告のノウハウも提供するという。利用料金は1ブログあたり月額50円から。このサービスの最初の導入企業として,イラストのCGMサービス「pixiv」を運営するピクシブが,4月23日に新規ブログ・サービス「pixiv ブログ」を開始する。

 もう1つのBRは,livedoor Blog ASPを利用するブログ・サービス集団による口コミを広告商品として,同社とメディアが共同販売するという事業である。口コミ広告と雑誌などのメディア広告をセット販売することで,幅広くスポンサー獲得を目指す。同事業への最初の参画媒体として,小学館が発行するビジネス・パーソン向け情報誌「DIME」が,4月21日発売号の紙面で,口コミ効果を活用したクロスメディア広告を掲載する。

■変更履歴
公開当初,出澤氏のお名前について間違って表記しているところがありました。お詫びして訂正します。本文は修正済みです。 [2009/04/21 10:50]