米Borland Softwareで社長兼CEOを務めるErik Prusch氏
米Borland Softwareで社長兼CEOを務めるErik Prusch氏
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 開発支援ツール大手の米Borland SoftwareでCEOを務めるErik Prusch氏は2009年4月17日,都内で会見し,開発プロジェクトの品質を“見える化”する製品群に強化する方針を明らかにした。同社は,チーム開発を支援するALM製品群を提供しているが,今後は,こうしたALM製品群から情報を収集し,開発プロジェクトの状況を可視化するマネジメント製品群に注力していくという。

 「BI for ALM(アプリケーション・ライフサイクル管理を対象としたビジネス・インテリジェンス分析)」というコンセプトを掲げて,品質の見える化機能を製品に実装する。米国で昨年から今年にかけて出荷した最新の製品群(TeamAnalyticsやTeamInspectorなど)には,すでに機能が盛り込まれている。開発プロジェクトを通じて,仕様変更の件数がどう推移したのか,といった開発プロジェクトそのものの品質を可視化/分析できるようになる。

 開発プロジェクトの品質向上に加えて,開発モデルの変革も重要なポイントであるという。米Borland Software社内でアジャイル開発(小規模,少人数,短期周期の開発を積み上げて開発していく手法)を試してところ,開発速度が100%増加し,品質が50%改善した。現実のユーザー企業は,長期的な周期のウォーターフォール型開発など伝統的な手法で開発しているが,これをどう変えていくかが同社の課題とした。

 Erik氏はこの25年間における開発ツールの変化に言及した。同社には,個々の開発者を支援するIDE(統合開発環境)から,チーム開発を支援するツールへ,さらに開発プロジェクトを最適化するツールへと,管理対象を個々のソース・コードから組織へと広げてきた歴史がある。