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 レノボは2009年4月16日、自社製品の省電力化や環境配慮に関する取り組みについて説明会を開催した。「昨年末からデスクトップ型パソコンにも電力管理ソフトを無償で提供している。製品の梱包材にも気を配っている」と、ワールドワイド・コンペティティブ・アナリストであるマシュー・コーハット氏は説明する(写真)。

 「今後はIT機器の電力コストはIT予算に組み込まれるようになる。IT機器の消費電力が大幅に増える可能性が高いからだ。電力管理に取り組むべきだ」とコーハット氏は指摘する。企業が取り組む方策として、レノボは10の方策を提案する。「環境配慮基準をクリアしたハードウエアを購入すること」「電力管理ソフトを社内に展開すること」「使用済みパソコンをリサイクルすること」などである。

 特に重要なのは電力管理という。「パソコンは箱から取り出した状態では、もっとも使いやすい設定になっている。環境に配慮するなら、設定を変更する必要がある」と語る。同社が無償で提供する電力管理ソフト「省電力マネージャー」は、画面中央のスライダーをマウスの操作で動かすだけで電源設定を変更できる。「平均的なユーザーなら簡単に使いこなせるはずだ」。

 レノボ自身は米国の環境配慮基準への製品対応を進める。デスクトップ型パソコン「ThinkCentre A58シリーズ」と液晶モニターは、09年7月に発効する米国のエネルギー効率基準である「Energy Star5.0」に対応済み。4.0で求められていたアイドル時の消費電力、シャットダウン時の待機電力を減らすだけでなく、5.0の基準であるパソコン稼働時の消費電力も削減した。

 製品のこん包材にも気を配る。コーハット氏は「発泡スチロールではなく、リサイクルした素材またはリサイクル可能な素材を使ったクッション素材を採用する」と説明する。数カ月以内にデスクトップ型パソコン梱包用発泡スチロールを全廃する予定という。