写真1●駐日公館(IEMF)次世代モバイル展 2009では,モバイル関連企業が製品を展示した
写真1●駐日公館(IEMF)次世代モバイル展 2009では,モバイル関連企業が製品を展示した
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写真2●白石美成スマートフォン推進委員長 普及促進副委員長
写真2●白石美成スマートフォン推進委員長 普及促進副委員長
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写真3●スマートフォン市場は2008年度の130万台から2012年度には330万台に伸びる見通し
写真3●スマートフォン市場は2008年度の130万台から2012年度には330万台に伸びる見通し
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 モバイルコンピューティング推進コンソーシアム(MCPC)は2009年4月16日,モバイル関連企業による展示会「駐日公館(IEMF)次世代モバイル展2009」を開催した(写真1)。基調講演では,白石美成スマートフォン推進委員長 普及促進副委員長(写真2)がスマートフォン市場の現状と見通しについて語った。

 MCPCでは,2008年4月にスマートフォンに関する委員会を設立。2009年3月には国内のスマートフォン市場について調査した調査レポートを発表した。その調査によると,2008年度の国内スマートフォン市場規模は約130万台で,前年度比で55%増加した。白石委員長は「キャリア各社が複数のスマートフォンを投入し,2段階の定額料金プランをそろえた」ことが市場の伸びを後押ししたと分析する。今後はWiMAXなどの高速通信の普及が期待できることから,2012年度の市場規模は約330万台で累積契約数は約960万台に到達すると予想する(写真3)。

 2008年度の台数の内訳を見ると,個人向けが約102万台であるのに対し,法人向けは約31万台と少ない。法人向けの台数が伸び悩む要因として,スマートフォンの認知度の低さがあるという。白石委員長は「業種別,業態別にきめ細かくスマートフォンで実現できることを伝えることで,企業での採用を促進できるのではないか」と分析する。

 具体的な導入事例としては,2005年に日本で初めて法人でスマートフォンを本格導入したという「築地寿司岩」を紹介した。店長や板前さんが売り上げや仕入れの情報をスマートフォンで入力することで,経営判断の効率化を実現したという。そのほかアパレル,テニススクール,医薬販売などさまざまな業種での導入例を示した。

 MCPCの調査では2011年度にスマートフォンを利用したいという法人は,2008年度の約2倍。適切にスマートフォン導入の効果に対する認知が進めば,2009年から2012年にかけて「法人市場で20~30%の増加率を維持できる」(白石委員長)と展望する。