写真●左から米シスコのリック・マッコーネル氏、シスコ日本法人・社長兼最高経営責任者のエザード・オーバービーク氏、富士通の川妻庸男氏、同ネットワークサービス事業本部プロダクト企画事業部長の鍋田政志氏
写真●左から米シスコのリック・マッコーネル氏、シスコ日本法人・社長兼最高経営責任者のエザード・オーバービーク氏、富士通の川妻庸男氏、同ネットワークサービス事業本部プロダクト企画事業部長の鍋田政志氏
[画像のクリックで拡大表示]

 富士通とシスコシステムズは2009年4月16日、IP電話やテレビ会議、電子メールなどを複合的に駆使するユニファイドコミュニケーション(UC)分野で提携すると発表した。両社の製品を相互に接続・連携できるようにした上で、富士通が顧客にシステム販売する。富士通の川妻庸男経営執行役常務は会見で「UC市場で2012年までにシェア40%を獲得し首位に立つ」と宣言した。

 提携の第1弾として富士通は本日、シスコの呼制御サーバー「Unified Communications Manager」(Unified CM)と富士通の電話機、構内PHS端末、スマートフォンを接続するアプライアンス製品「VJ-110」シリーズを発売した。5月中旬には、富士通のグループウエアやCRM(顧客情報管理)ソフトとUnified CMを連携させるミドルウエアを発売する。7月にはUnified CMと連携する業務・業種別アプリケーションを投入する。

 「UC市場はまだ日本では十分に立ち上がっているとは言い難い」。川妻常務はこうした認識を示した上で、「シスコとの提携によりビジネスのスピードアップやコスト削減といったわかりやすいメリットをお客様に示し、UC市場を切り開いていく」と意気込みを語った。

 シスコは富士通との提携を通じて、日本市場での売り上げ拡大とモバイル通信のノウハウ吸収を狙う。「モビリティ、ビデオ、ソフト連携の3分野に集中投資する。まずは富士通との提携で構内PHSを我々の製品と統合できるようにする」(米本社のリック・マッコーネル UCマーケットデベロップメントバイスプレジデント)。

 富士通とシスコは提携に基づく新製品、新サービスをまず国内で展開する。今後、海外展開も検討する。両社は2004年に通信事業者向けの大規模ルーターで提携済み。今回はその提携を企業向けコミュニケーションシステムまで広げた格好だ。