写真1 3日目最後の全体会議の様子
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写真2 最終日になって見事に晴れ上がったサンフランシスコの空
写真2 最終日になって見事に晴れ上がったサンフランシスコの空
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写真3 プラジャル・モハン氏と筆者の同僚:天野光隆シニアエンジニア
写真3 プラジャル・モハン氏と筆者の同僚:天野光隆シニアエンジニア
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 米国サンフランシスコで2009年4月8日から10日まで開催されたLinux関連イベントの「The Linux Foundation/Collaboration Summit」。最終日となる3日目のリポートを,ミラクル・リナックスの鈴木 一郎氏がお届けする。

Linuxの技術動向を追うのに役立つ「LWN.net」

 LWN.net(Linux Weekly News)は,ジョナサン・コルベ(Jonathan Corbet)氏が編集長を務めるニュース・サイト/Webマガジンで,Linuxの技術的な方面に関しては随一のものである。

 改めて言うまでもなく,エンジニアにとって,技術動向を追うことは重要である。ただ,例えばLinuxのカーネルについての技術動向を追いかけたい場合,カーネル関連の議論はLKML(LInux Kernel Mailing List)というメーリング・リストで行われているが,その投稿量は膨大で,話題も多岐に渡る。内容も玉石混交の感があるので,キャッチアップし続けるのは正直,非常に難しい。アプリケーションに至っては,数が多すぎて,すべてについて開発の過程を追うことなど到底不可能である。

 そんな時に役に立つのが,LWN.netである。LWN.netの主要なコンテンツである「週報」(Weekly News)は,カーネルを中心にLinux関連の最近の開発トピックをまとめると共に,新規技術については詳しい解説記事も掲載したり,各ディストリビューションや主要プロジェクトのニュースも集めて提供したりという具合に,大変便利でかつ質の高い情報源となっている。筆者の会社でも,多くの開発者が時間を見つけて読んでいる。

拡大し続けるカーネルとコミュニティ

 なぜ冒頭にLWN.netの紹介をしたかというと,Collaboration Summit3日目の朝に,そのコルベ氏が講演する「Linux天気予報」というセッションが開かれたからだ。筆者をはじめ,世界中のLinux関係者が愛読しているLWN.netの編集長の“生の講演”が聴けるとあって,筆者は出発前からこのセッションの聴講を楽しみにしていた。