マイクロソフトの藤本浩司氏(サーバープラットフォームビジネス本部 コア インフラストラクチャ製品部 マネージャー)
マイクロソフトの藤本浩司氏(サーバープラットフォームビジネス本部 コア インフラストラクチャ製品部 マネージャー)
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 「Windows Server 2008 R2における仮想化機能の目玉は,間違いなくLive Migrationになる」――。4月14日,都内で開催された「仮想化フォーラム2009」。壇上に立ったマイクロソフトの藤本浩司氏(サーバープラットフォームビジネス本部 コア インフラストラクチャ製品部 マネージャー)は,次期Windows Serverにおける仮想化機能の魅力をこう訴えた(写真)

 「Windows Server 2008 R2における仮想化機能の拡張」と題して語ったもの。藤本氏は冒頭で,マイクロソフトの仮想化戦略を説明。具体的には,(1)サーバー仮想化,(2)デスクトップ仮想化,(3)アプリケーション仮想化,(4)プレゼンテーション仮想化――の4分野を掲げ,「現在開発中のWindows Server 2008 R2では,サーバー仮想化とデスクトップ仮想化を強化する」(藤本氏)と述べた。そして講演では,このうちサーバー仮想化に関する機能を披露した。

利用できる論理プロセッサ数を32個に

 出荷時期こそ明らかにしなかったが,藤本氏は「新OSの仮想化機能は,使いやすさとパフォーマンスを重視した」と語った。サーバー仮想化に関する機能拡張は大きく二つ。一つはハイパーバイザ型仮想化ソフト「Hyper-V」の機能強化,もう一つは「Live Migration」と呼ぶ新機能の追加である。

 Hyper-Vの新版となる「Hyper-V 2.0」では,性能や拡張性,運用性などを高めるさまざまな機能強化を図るという。例えば「仮想マシンが利用できる論理プロセッサ数を従来の24個から32個へと増やした。またHot Add/Remove Storage機能により,実行中の仮想マシへの仮想ディスクの追加や削除をリブートせずに実施できる」(藤本氏)。

 このほか,IntelとAMDが提供する,メモリーの論理アドレスと物理アドレスを自動変換する技術「Second Level Translatior(SLAT)」をサポート。「Hyper-VがSLATをサポートしたことで,仮想サーバー側でアドレスの変換が必要なくなり,パフォーマンスの向上やハイパーバイザの負荷低減などにつながる」(藤本氏)。

 そして藤本氏が最大の機能拡張と強調するのが,Live Migrationだ。「これにより,仮想マシンを止めずに物理サーバー間でアプリケーションを移動できる。サービスの無停止,柔軟なサーバー拡張が可能になる」(藤本氏)。

 Live Migrationは,ヴイエムウェアが提供する「VMware VMotion」に相当する機能。藤本氏は「ユーザーからの要望が特に強かった機能だけに,Hyper-Vのシェアをこれまで以上に押し上げるだろう」と,自信を見せた。