学校法人学習院は学生向けにシンクライアント端末約1700台を導入した。NTTデータが2009年4月14日に発表した。NTTデータが提供するネットブート型シンクライアント「CoreBoot」を採用した。1台の端末に施したバージョンアップやパッチ適用を全ての端末に反映する機能などを備えるため、メンテナンスの手間を省けると期待する。4月1日から運用を開始した。

 クライアント端末約1700台、CoreBootサーバー2台、iSCSIストレージ8台で構成する。OSやアプリケーションなどのプログラム情報はiSCSIストレージに集約する。各端末は起動時CoreBootサーバーにアクセスして起動し、その後はiSCSIストレージに直接アクセスする。シンクライアントの中で普及が進んでいる「画面転送型シンクライアント」と比べ、同時に稼働する端末が多い環境でも処理能力の劣化を抑えられるという。

 画面転送型シンクライアントと比べネットワーク上に流れる情報量が多くなる傾向があるため、ネットワークの強化も検討している。システム構築はネットワンシステムズが担当した。

 CoreBootは1台の端末でプログラムのバージョンアップやセキュリティパッチを適用すると全ての端末に反映する「Easy メンテナンス機能」や、バックアップ、復元を行う「Fast バックアップ機能」といった機能を備える。学習院では従来、管理者がネットワーク経由でソフトウエア配信によるアップデートを実施してきた。一部で配信漏れが生じるとリカバリ作業に手間がかかった。