インドのTech Mahindraは現地時間2009年4月13日,インドSatyam Computer Servicesの競争入札で落札したと発表した。落札価格は1株当たり58ルピー(約1.16ドル)。Tech MahindraはSatyam買収により,これまで注力していた電気通信業界以外に,金融サービス,ヘルスケア,製造などの垂直市場への参入を図る。

 Satyamは今年初めに過去の巨額粉飾決算が発覚し,同社創立者で会長のRamalinga Raju氏が引責辞任した(関連記事:インドITアウトソーシング大手のSatyamが粉飾,会長が引責辞任)。1月11日には企業省が任命した取締役の受け入れを開始し(関連記事:巨額粉飾が発覚したSatyam,政府任命の取締役を受け入れ),2月5日に新CEO(最高経営責任者)が就任(関連記事:粉飾決算のSatyam,新CEOが決定,社内から登用)。3月9日に売却先を選定する入札プロセスを開始し(関連記事:Satyam,売却先選定の入札プロセスを開始),4月13日にオークションが終了した。

 Tech Mahindraは,インドのMahindra & Mahindraと英British Telecommunicationsが共同出資した合弁企業。欧州,アジア太平洋地域,北米に通信事業者の顧客を抱える。

 米メディアの報道(New York Times)によると,既にSatyam株式の12%を保有していたインドの建設およびエンジニアリング大手Larsen&Toubroもオークションに参加したが,Tech Mahindraの入札価格が上回った。1株当たり58ルピーという価格は,直近の終値と比べ23%高い。しかし1年前と比べればわずかな値段だという。

 Tech Mahindra副会長兼CEOのVineet Nayyar氏は,Satyamが膨大なノウハウを持ち,さまざまな垂直市場にわたって各地にプレゼンスを置いていることに言及し,「当社とSatyamは相互に補完し合う」と述べた。またTech Mahindra会長のAnand Mahindra氏は,「今回の落札は,当社にとって画期的な発展となる。Satyamの顧客と従業員もこの結果を歓迎してくれるはずだ。これでSatyamのビジネスが好転すると確信している」とコメントした。

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