半導体設計の台湾Elan Microelectronicsは現地時間2009年4月8日,米カリフォルニア州北地区連邦地方裁判所に米Appleを提訴したと発表した。Elanによれば,タッチパッドに関する同社の米国特許2件がAppleに侵害されたという。

 Elanは,Appleがノート・パソコン「MacBook」,携帯電話機「iPhone」,携帯用メディア・プレーヤ「iPod Touch」で,マルチタッチ検出技術に関する「5,825,352」(352特許)と,キーボード入力と手書き入力の切り替え技術に関する「7,274,353」(353特許)という2件の米国特許を侵害したと主張している。ライセンス契約の締結に向けた交渉をAppleと繰り返してきたものの,成果が得られないため提訴に踏み切ったと説明している。Elanは,特許の無断使用差し止めと損害賠償の支払いを求めている。具体的な賠償金額は明らかにしていない。

 Elanが問題としている特許の概要は以下の通り。352特許のタイトルは「Multiple fingers contact sensing method for emulating mouse buttons and mouse operations on a touch sensor pad 」。1996年2月28日に申請し,1998年10月20日に成立したもので,31件のクレーム(請求項)から成る。353特許のタイトルは「Capacitive touchpad integrated with key and handwriting functions 」。2003年9月24日に申請し,2007年9月25日に成立したもので,12件のクレームから成る。

 Elanは半導体の研究/設計を手がけ,特にタッチパッド関連の技術を持つ。今後も他社のタッチ入力対応デバイスを調査し,自社特許の保護に取り組むとしている。これまでも米国で352特許侵害を理由に米Synapticsを提訴し,ライセンス契約を結ぶなどして和解したことがある。

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