エフセキュアは2009年4月9日,2009年第1四半期(1~3月)に同社が検知したマルウエアの動向を発表した。携帯電話向けの「Sexy View」ワームの存在が確認された。携帯電話向けのワームが検知されたのは,同社の観測史上初めてという。このほかソーシャル・ネットワーキング・サービスFacebookを不正利用する「Koobface」ワームの最新亜種も見つかった。

 Sexy Viewワームは携帯電話に登録された連絡先を悪用して増殖する。感染すると連絡先がワーム作成者に盗まれる。ワーム作成者は本人になりすまして,盗難した連絡先に特定のURLへ誘導するテキスト・メッセージを送信する。受信者が送信者を信用してURLにアクセスし,指示に従ってアプリケーションをインストールすると,受信者の携帯電話もワームに感染し連絡先が盗み出されてしまう。このワームについて同社は「スパムを送るための情報収集が目的のようだ」と分析する。

 Koobfaceワームの最新亜種は,Facebookのログオン情報を盗む。不正にログオンし,Facebook上の画像や友人のメールアドレスなどを流出させる恐れがある。同社は「Facebookで友人からメッセージを受け取ると本物と思いがち」と指摘する。送信者を信用して,URLへのアクセスやアプリケーションの更新を促されるままに実行すると,様々な被害を受ける可能性がある。