イー・モバイルは2009年4月9日、携帯電話データ通信サービスにおいて帯域制御を今秋から導入すると発表した。大量のデータ通信を連続的に行うユーザーの通信速度を大幅に低下させ、1ユーザーがネットワークを占有する事態を防ぐ。同様の措置は他の携帯電話事業者も導入済み。イー・モバイルが帯域制御を始めれば、携帯での大容量ファイル交換は実質的にできなくなる。

 正式導入に先立ち、イー・モバイルは5月1日から7月31日まで試験運用を実施する。その効果と影響を検証したうえで、正式運用のポリシーを決める。

 帯域制限を実施する基準について、イー・モバイル広報は「試験運用では通信量が判断するかプロトコルで判断するかは非公開。一般的なメール送受信やWeb閲覧、動画視聴、音楽ダウンロードには影響させない」と回答する。正式運用時には帯域制御ポリシーを公開する。

 正式運用後の帯域制御ポリシーはMVNO(仮想移動通信事業者)のサービスにも適用される。MVNOのなかには法人向けサービスを展開する企業もあるが、「帯域制御の対象として法人と個人は区別しない」(広報)とする。なお、7月末までの試験運用ではMVNOサービスにイー・モバイルの帯域制御ポリシーを適用しない。