富士通は2009年4月9日、化学物質情報管理ソフトを発表した。化学品の製品情報を一元管理し、提出が義務付けれらている文書の作成などを効率化する。化学品製造業向けに本日から販売を開始する。価格は1000万円から。12年3月までに30本の販売を目指す。

 名称は「McConcierge(エムシーコンシェルジュ)」。企業が製造する化学品の製品情報や製品を構成する化学物質の情報を一元管理し、成分レベルでの検索を可能にする。化学物質の排出量、移動量を事業者が行政に届けるPRTR法などで提出を義務付けている文書を、登録情報を基に自動作成する。自動作成のため専門家のノウハウに依存せず均一な品質で作成できる。手作業だと数時間かかるところが、20~30秒で済む。

 成分レベルの検索機能を利用すると、国や自治体、取引先企業に対して化学品、化学物質の情報を素早く提供できる。承認ワークフロー機能などを備え、蓄積・管理する情報の信頼性を高める仕組みも用意する。

 化学品製造業では製品の安全性が重視されている。PRTR法などで提出を義務付けている文書には、化学物質の性状、取り扱いに関する情報がA4判6~8枚程度、事故時に輸送関係者や消防・警察などが取るべき措置方法の情報がA4判2枚程度などである。