NECは2009年4月9日,FC-SANストレージの新製品「iStorage D8-30」(写真)を発表した。新たにシンプロビジョニング(ボリューム容量の仮想化)機能を追加した。搭載するハードディスクドライブのディスク容量を超える容量のボリュームを仮想的に設定できるので,導入/運用コストを削減できる。同日販売を開始し,4月20日から出荷を始める。価格は570万円(税別)から。
シンプロビジョニング機能とは,ボリューム容量を仮想化し実在する物理容量を超える論理容量を設定して運用できるようにするもの。実際に消費している分だけ物理ディスクを用意すればよいため,ストレージ使用率が高まる。その分,導入コストを削減できる。サイジング(容量設計)やディスク増設にかかる運用管理コストも減らせる。
新製品が搭載するディスクはSAS/SATAが3~1536台。SATA 1Gバイト・ディスク使用時の最大論理容量はRAID-6構成で1208.9Tバイトとなる。アレイ・コントローラ(ノード)の大きさは高さ5Uで,最大4ノードまで拡張可能。ノード当たり,ディスク拡張用ユニット(高さ2Uにディスク12台を収容)を32台まで接続できる。
併せて,中小企業向けiSCSI(IP-SAN)接続ストレージの新製品「iStorage D3-10i」の販売も開始した。搭載できるディスク数は3~144台である。NECは従来,iSCSIインタフェースは小規模向け製品(ディスク数は4~12台)に限って提供してきた。今回新たに,中小規模向けの製品にもiSCSIを搭載した。iStorage D3-10iの価格は246万円(税別)から。
このほかストレージ製品の周辺オプションも最大40%値下げした。保守サポート料金も最大60%値下げする。一連の値下げによって,今回の新製品を活用したストレージの運用管理コストを20%以上削減できるとしている。