Japan Perl Association(JPA)のメンバー
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Japan Perl Association(JPA)代表理事 牧大輔氏
Japan Perl Association(JPA)代表理事 牧大輔氏
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YAPC::Asia(2008年の模様)
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 「Pelは大規模Webサービスを支え,今も進化している。しかしそのことが広く知られていない」(Japan Perl Association代表理事 牧大輔氏)――Japan Perl Association(JPA)が2009年4月8日,正式に活動を開始した。JPAはPerlの普及推進を目的とした一般社団法人。東京で開催される国際イベントYAPC::Asia(Yet Another Perl Conference Asia)の運営を始めとする普及活動を行う。

 「Perlは歴史が長いため,古い言語と見られることもある。しかしPerlはライブドア,ミクシィ,ディーエヌエーだけで月間360億ページビューを処理するなど,今もWebを支える存在。現在では進化したモダンな開発方法論が用いられており,Perl自体の開発も活発に行われている。にもかかわらず,そのことを啓蒙する団体がなかった」(牧氏)。

 このような問題意識から,JPAでは新規ユーザーがPerlに参入しやすく,企業ユーザーが安心して使用できる環境を整えるとともに,Perlの実像を伝えるための活動していく。「目的はPerl技術者の雇用の場を増やすこと」(牧氏)

 具体的には以下のような活動を行う。

(1)ドキュメントなどリソースの配備。2009年7月をメドに海外のPerlドキュメントの日本語訳提供を開始する。

(2)研修など教育サービスの提供。ビジネスで使える実践的なトピックや新規ユーザーのための基本トピックのセミナーを行う。第1回は4月21日に開催。Enlightened Perl OrganisationからJay Shirley氏を講師に招き,最新のPerl開発手法やWebフレームワークCatalystの活用法に関する講演を行う。最初は関東からだが,今後日本全国で展開する。

(3)YAPC::Asiaの運営を2009年から担当する。YAPCは世界中で行われているイベントで,YAPC::Asiaはその中でも世界最大。昨年までYAPC::Asia実行委員会が運営していたが,個人ベースの組織だったため契約などの面で問題があったという。

(4)Perlで実装する次世代技術の研究支援。IPv6やクラウド・コンピューティングなどの実装を支援することを検討している。

 また今後,Perl技術者認定試験の制定,The Perl Foundationなど海外のPerl団体との連携,国内Perl採用企業および教育機関との連携も行っていきたいとしている。

 牧氏はendeworks代表取締役で,多くのPerlツールを開発しオープンソース・ソフトウエアとして公開している。JPAの役員には牧氏のほかorinoco CTOのEmerson Mills氏,ライブドア執行役員CTOの池邊智洋氏,DeNAの山口徹氏が理事,NTTレゾナントの岡部恵一氏,フリーランスプログラマの小山浩之氏が監事に就任している。またシックス・アパート,paperboy&co.,リクルート,ガイアックス,アドウェイズなどが賛同企業として加わっている。