写真1●会見に挑むヤフーの井上雅博社長(左)とUSENの宇野康秀社長(右)
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写真2●プラットフォームを統合し,映像配信事業の拡大を狙う
写真2●プラットフォームを統合し,映像配信事業の拡大を狙う
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 ヤフーとUSENは2009年4月7日,映像配信サービス分野で資本業務提携を結ぶと発表した。ヤフーがUSENからGyaOの51%の株式を4月30日付けで譲り受け,子会社化する。GyaOはUSENが2008年10月に別会社化した。さらに,今回の提携に伴い,両社の動画配信サービス「Yahoo!動画」と「GyaO」を2009年秋から統合させる計画だ。GyaOの社長にはヤフー出身の川邊健太郎氏が就く。

 GyaOはインターネットを利用した動画配信サービスの先駆けで,現在2200万人が登録している。一方,ヤフーの動画配信サービスも,現在月間1100万人以上が利用中である。だが,両社とも赤字の状態が続いているという。ヤフーの井上雅博社長(写真1)は,「動画配信サービスは小さな市場が点在していたが,映像配信ビジネスを拡大するために,そろそろ整理をして一つの巨大なプラットフォームを作ってよい時期ではないか。統一された課金システム,広告配信システムを用意することで,著作権者や広告主にとってもメリットは大きくなる」と提携の意図を説明した(写真2)。

 両社の提携には,YouTubeなどの動画投稿サイトが予想以上に勢いを増しているという背景もある。「きちんと著作権処理されていない動画サイトが増えていくと,インターネットにコンテンツが永続的に提供されなくなってしまう。両社の統合によって,コンテンツの権利者にきちんと対価を支払うNo.1映像配信プラットフォームを目指していく。統合によるインフラ部分のコスト削減効果も見込む」(ヤフーの井上社長)。

 統合後のブランドについては未決定。ヤフーの井上社長は,「個人的にはGyaOのブランドを大事したほうがよいと考えている」と説明した。

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