写真1●新ブランド端末「iida」を持つKDDIの小野寺正社長兼会長
写真1●新ブランド端末「iida」を持つKDDIの小野寺正社長兼会長
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写真2●草間彌生氏がデザインした「ドッツ・オブセッション,水玉で幸福いっぱい」<br>箱形の置き台と携帯電話をセットにした作品。
写真2●草間彌生氏がデザインした「ドッツ・オブセッション,水玉で幸福いっぱい」<br>箱形の置き台と携帯電話をセットにした作品。
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写真3●箱を開けるとドットをデザインした携帯電話が現れる&lt;br&gt;限定台数の販売となり,価格は100万円台になる見込みという。
写真3●箱を開けるとドットをデザインした携帯電話が現れる<br>限定台数の販売となり,価格は100万円台になる見込みという。
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 KDDIは2009年4月7日,デザイン重視の新ブランドau携帯電話「iida」(イーダ)を発表した。同社が2001年から立ち上げた「au design project」を発展させ,外部の著名デザイナーのアイデアを積極的に採用する。「auのライフスタイル戦略の新たな核になる」(KDDIの小野寺正社長兼会長,写真1)製品群である。

 第一弾として,プロダクトデザイナー岩崎一郎氏がデザインした質感にこだわった端末「G9」と,水玉柄の作品で知られる前衛芸術家の草間彌生氏がデザインしたアート作品とも言える3端末,プロダクトデザイナー迎義孝氏がデザインしたシンプルな端末「misora」を用意した。草間氏がデザインした端末は,「ドッツ・オブセッション,水玉で幸福いっぱい」(写真2写真3),「私の犬のリンリン」,「宇宙へ行くときのハンドバッグ」の3つ。価格帯は通常の端末程度の数万円台(G9,misora)から,十数万円程度(宇宙へ行くとき~),100万円台(ドッツ・オブセッション~,私の犬~)と,幅広いレンジとなる見込み。草間氏のデザインした端末は,ナンバー入りの限定台数販売となる。これらの第一弾商品は4月下旬から順次発売する。

 新ブランドについて,同社の高橋誠取締役執行役員常務コンシューマ商品統括本部長は「ユーザーのデザインに対するこだわりに応えるために,外部デザイナーを登用した。au design projectを発展し,ユーザーのライフスタイルまで含めて提案していくのがiidaの世界」と説明。auが展開するもう一つのブランドという位置付けで,au design projectや2009年の春モデル端末として発売したNSシリーズも,今後はiidaに発展的に吸収していく。もともと20代を中心とした同社の若手社員の有志が2008年2月に始めたプロジェクトが元になっており,「社内のMVNOのような存在」(同)という。

 iidaでは携帯電話だけでなく,周辺機器もターゲットにした。携帯電話に接続して利用できる超小型のプロジェクタ「Mobile pico projector」や,植物を模したACアダプタなどもラインアップに揃えている。

 発表会の後の囲み取材に応じた小野寺社長は,今回のiidaを提案した若手社員の間には,「(auらしさが薄れていた最近の同社の端末について)危機感を持っていたかもしれない」と語った。端末市場は2008年から大きな落ち込みを見せているが,「(iidaのような端末を出すことで)ユーザーの興味を引いてショップに来てほしいというのが本音。これまでのau端末に上積みされる形で売れていってほしい」(同)とした。au design projectoは年間1機種ほどのサイクルで商品を投入していたが,iidaはそれよりも頻繁に機種を出していく計画という。

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