NTTドコモの坪内和人常務(左)と,オークローンマーケティングのハリー・A・ヒル社長(右)
NTTドコモの坪内和人常務(左)と,オークローンマーケティングのハリー・A・ヒル社長(右)
[画像のクリックで拡大表示]

 NTTドコモは2009年4月6日,テレビ通販のオークローンマーケティング(OLM)と資本提携した。OLMの発行済み株式の51%(5万5215株)を310億円で取得すると共に,NTTドコモ グループ事業推進部長の守屋学氏が代表取締役副社長に就任,同氏のほか3人を役員として送り込む。

 両社の発表によると,OLMはテレビ通販の販売額でジュピターショップチャネル,QVCジャパンに次ぐ第3位。最近は,「ビリーズブートキャンプ」などの成功で急成長している。会見に登壇した守屋部長は,「通信販売市場はモバイルビジネスと親和性が高い。成長が見込める新事業領域としてシナジーが出せる」と語った。富士経済の調査によると,2007年時点のモバイルeコマース市場は2616億円。ドコモは,今回の提携などにより同市場を活性化,1兆円の市場を目指すという。

 NTTドコモは2008年10月,「ドコモとのシナジーが発揮できる領域において出資・提携を実施する」という方針を掲げており,今回の出資もその一環と位置付けている。候補となる分野としては,小売や放送,広告,旅行,健康管理,教育などの分野が挙がっている。

 会見に同席した財務担当の坪内和人・取締役常務執行役員は,モバイル向けテレビ通販について「(地上アナログテレビ放送の空き帯域の利用を目指す)マルチメディア放送のコンテンツとして魅力的。貴重なコンテンツとしてカウントしたい」と,事業参入を果たしたときのコンテンツとしても魅力があるとの見通しを示した。