Linux普及推進団体の米The Linux Foundationは2009年4月2日,モバイル向けLinux開発プロジェクト「Moblin.org」の運営を米Intelから移管したと発表した。特定の企業に依存しない中立の立場で運営することで,プロジェクトがよりオープンになるとしている。

 MoblinはIntelが主導している,ネットブックやMID(Mobile Internet Device)などモバイル機器向けLinux開発プロジェクト。Canonical(Ubuntu)やミラクルリナックス,Novell,MontaVista,WindRiverなどがMoblinの成果を取り入れたLinuxディストリビューションの製品化を進めている。

 The Linux FoundationはMobiln.orgをホスティングするとともに,コミュニティの運営も行う。The Linux Foundationによれば,IntelはMoblinに投入している技術者を今後も維持するという。

 The Linux Foundationでは「Intelが運営している時でも,Moblinの開発者は,OSをIntelのAtom以外のプロセッサ,ARMやNvidiaのIonに移植することはできたが,実際にはそのようなプロジェクトは存在しない。開発者の多くがIntelの従業員だったからだが,中立であるThe Linux Foundationが運営することにより,このような状況も変わると考えている」としている。