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 メインフレーム(大型汎用機)の解説書が、「新刊」として登場した。コンピュータ専門出版社のリックテレコムが3月下旬に発行した『メインフレーム実践ハンドブック』(8800円)である。「今の時代に初めてメインフレームのエンジニアとして仕事をせざるを得なくなった人」を対象に、IBM(OSはMVS)、富士通(同MSP)、日立製作所(同VOS3)のメインフレームの仕組みや使い方を解説している。

 著者はメインフレームコンピュータ技術情報サイト「『メインフレーム・コンピュータ』で遊ぼう」を運営する神居俊哉氏。本書にはWindows上で動作するメインフレームエミュレータ「Hercules(ヘラクレス)」と、米IBMが1974年にパブリックドメインとして公開したメインフレーム用OS「MVS 3.8」を収録したCD-ROMが付属する。読者はメインフレームのエミュレータと本物のMVSを手元で操作しながら、メインフレームの使い方を学習できる。

 IBMの「MVS 3.8」は、富士通の「MSP」や日立の「VOS3」のモデルとなったOSである。MVS 3.8で学んだ内容は、IBM、富士通、日立各社の最新OSにも当てはめることが可能だという。もっともMVS 3.8は1974年に発表されたものであるため、「OSは24ビット」「TCP/IPは利用できない」「TSOはあるがISPFは利用できない。SDSFはまだ存在していない」(本書より)といった制約がある。

■変更履歴
当初公開した記事で「リックテレコム」の会社名に誤りがありました。お詫びして訂正します。本文は修正済みです。 [2009/04/03 20:05]