情報インフラの構築や運用を手がける日本ビジネスシステムズ(JBS)は,2009年9月に製造業向けコンサルティングとSIを中核事業とするアイヴィス(IVIS)ソリューションズを完全子会社する計画を明らかにした。JBS,IVISソリューションズは共に未上場のプライベート・カンパニー。IVISソリューションズは将来的に社名をJBSソリューションズに変更する予定だ。

 JBSは2009年3月19日付でIVISソリューションズの旧親会社であるアイヴィスから株式の50%を取得。残る50%は,IVISソリューションズの横田元社長を始めとする創業メンバーが所有しているが,JBSに譲渡することで合意している。

 JBSの牧田幸弘社長は「2008年に,ある大型案件で組んだことがきっかけとなった。当社は情報インフラ周りが得意なのに対し,IVISソリューションズは業種特化型。お互いの得意分野をうまく補完でき,顧客の重なりもない。合併によるシナジー効果は大きいと判断した」と経緯を語る。

 JBSはグループを含めた従業員数が1000人程の中堅SI企業。中核事業は情報インフラの構築や運用であり,三菱東京UFJ銀行,ソフトバンクモバイル,日本テレビ,電通など約200の顧客をもつ。ここ数年は新規事業としてERP関連のサービスも手がけているが,「SAPユーザーの改善提案やアドオン開発などが中心で,業務分析や要件定義など上流に食い込むには人材が足りなかった」(牧田社長)。

 一方のIVISソリューションズは,横田社長が,富士ゼロックスの製造業向けシステム事業部門から独立して設立した。従業員約30人と小粒ながら,製造業向けの業務コンサルティングやBPM(ビジネス・プロセス・マネジメント)導入を得意とする。IHIや臨床検査機器大手のA&T,大手製造業10社ほどを顧客にもつ。

 IVISソリューションズはこれまで,開発したシステムの運用を自社で受けていたが,情報インフラは外注していた。横田社長は「JBSグループとして上流工程,システム開発,情報インフラの運用まで引き受けられるようになれば,収益性は高まるはず」と期待する。