エイベックス・エンタテインメントとNTTドコモが2009年4月に設立する合弁会社「エイベックス通信放送」が立ち上げる携帯電話専用の放送局「BeeTV」の2009年5月1日開局に向け,番組制作発表会が2009年4月1日に開催された。

 BeeTVは,NTTドコモの携帯電話ユーザー向けに提供する有料(月額315円の固定料金)の映像エンターテインメントである。NTTドコモの公式サイトとして提供するもので,iチャンネルまたはimenuからアクセスできる。あるいはURLからも直接アクセスできる。対象機種は,NTTドコモの10M iモーション対応機種である。視聴方法は「10M iモーション」「Music&Videoチャネル」である。iアプリムービーによる配信も今後予定している。

 利用料は月額315円で配信中の番組を見放題となる。配信終了後の番組は1話50円で追加購入が可能とする。原則として,各番組の最終話の配信が終了した1週間後にアーカイブする計画である。

収益は人気度に応じて制作者サイドとシェア

 BeeTVの特徴には,「原版権を確保して,制作会社と新しい収益分配モデルを確立」しようとしていることがある。

 まず原版権を確保することで,作り直すことなく,あらゆる端末に配信が可能になる。100%保有を原則とするが,場合によっては51%以上を保有することを条件に共同原版についても検討する。

 その上で,ヒットコンテンツについては「BeeDVD」としてシリーズ化したり書籍化するなど,様々な形態でのマルチユース展開を図る。「BeeTVが見られれば見られるほど,見る人もつくる人も配信する人も幸せになるシステム」としている。

 収益分配モデルは,コンテンツの人気度に応じて番組制作者サイドとシェアする。具体的には,出演者やスタッフには出演料に加えて,ケータイ配信印税とマルチユース印税を支払う。ケータイ配信印税は,月会費(税別300円)からキャリア手数料36円(12%)を除いた残額264円に会員数を乗じた総売り上げの11%を上限として月額分配原資とする。これを各番組の視聴占有率(各番組ごとの総視聴回数/全番組の総視聴回数)に応じて1番組当たりの分配原資とする。これをキーキャスト・キースタッフに対して定められた料率に従って分配する。DVDなどマルチユース展開を行った場合も,各収益の11%を上限に原資を用意し,キーキャスト・キースタッフに対し印税を分配する。キーキャスト,キースタッフの決定および分配率・分配方法の設定はエイベックス通信放送が行う。