米Googleは米国時間2009年3月31日,スパムとウイルス・メールの状況を調査した結果を発表した。それによると,2009年第1四半期はスパムの流通量が1日平均1.2%増加し,過去最高だった前年同期の約1%増を上回った。

 2008年11月に,米国の迷惑メール送信事業者McColoのネット接続が遮断されたことで,スパム・メールの送信件数が一時期減少したものの(関連記事:迷惑メールの流通量が75%減,悪質業者に対するネット遮断が奏功),3月下旬には遮断前のレベルに戻ってしまった。同社によると,スパム送信者はMcColoと同じ轍を踏まないように,より堅牢なボットネットを構築する一方,スパム・メールの大量送信でISPの注意を喚起しないように,送信件数を控えているという。

 スパム・メールの題材としては,不景気,人員削減,履歴書作成,金融市場など,昨今の景気低迷を反映した内容が目立つ。また,ユーザーのソースIPアドレスから位置情報を得て,ユーザーのクリックを促す巧妙な手口も報告されている。スパム・メールで誘導した偽サイトには,ユーザーの居住地に近い都市の災害情報など,虚偽のニュースとビデオを掲載する。関心を持ったユーザーがうっかりビデオを再生すると,ウイルスがダウンロードされる仕組み。

 ウイルスについては,ペイロードを組み込んだものが以前にも増して感染を広げており,3月はペイロード・ウイルスが2月に比べ9倍増えた。また,偽サイトに誘導してウイルスに感染させる混合型の攻撃も相変わらず多く,バレンタインデーにはeカードを悪用したウイルスが急増した。

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