米Googleは米国時間2009年3月30日,ベンチャー・キャピタル事業の立ち上げを明らかにした。名称は「Google Ventures」。同社のリソースを活用して,技術革新を支援し,新しい有望な技術企業を成功に導くことを目指すとしている。

 Google Venturesは,潜在性の高い新興企業を見つけ,初期段階で投資を行うことに注力する。消費者向けインターネット,ソフトウエア,クリーン技術,バイオ技術,ヘルスケアなど,さまざまな業界を対象にする。

 スウェーデンの投資金融企業Investorでポートフォリオ・マネージャを務めた経験のあるBill Maris氏と,GoogleでAndroidプラットフォーム事業に関わっていたRich Miner氏が,マネージング・パートナとしてGoogle Venturesを率いる。両氏は,「現在の不況時こそ,次の大物になる可能性のある新興企業に投資するのに理想的だ」と述べている。

 米メディア(New York Times)の報道によると,Google Venturesの初年度の投資規模は最大1億ドルにのぼる見込み。

 なお,米Dow JonesのVentureSourceがまとめたベンチャー投資に関する調査結果によると,2008年第4四半期の米国におけるベンチャー投資額は,前年同期比30%減の55億ドル(成立件数は554件)となり,過去3年間で最も低かった。IT業界向け投資は同39%減の22億ドル(成立件数は266件)で,1998年以来最も低い金額となった(関連記事:2008年Q4の米国VC投資は30%減少,IT業界向けは過去10年で最少額)。

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