IDCジャパンは2009年4月1日、国内産業分野別、企業規模別のIT市場予測を発表した。従業員999人以下の中堅中小企業(SMB)のIT投資は前年より2.4%も減ると予測する。従業員1000人以上の大企業よりも落ち込み幅は1ポイント大きい。国内経済の低迷による企業収益悪化の影響を大きく受け、IT投資が大幅に減少するとみる。

 大企業も09年のIT投資の前年比成長率はマイナス1.4%とマイナスに転じる見込み。日本版SOX法初年度適用後の対応や国際会計基準対応に向けた取り組みでIT投資が続くため、SMB市場に比べマイナス成長度合いは低いとみる。SMB、大企業ともに10年には再びプラス成長に転じる見通しだ。

 産業分野でみると「医療」分野のSMB市場は3.9%と08年に引き続きプラス成長を見込む。電子カルテシステムの導入やレセプトのオンライン化など、他産業に比べ遅れているIT化が進むためと同社は分析する。

 09年の国内IT市場規模は12兆3788億円、前年比成長率はマイナス1.7%と予測する。同市場の前年比成長率がマイナスに転じるのは03年以来6年ぶりのこと。

 今回は国内産業分野を18分野、企業規模を4階層に分類して調査した。08年7月から9月の実績と09年2月時点の経済状況に基づき、08年12月に発表した予測を見直した。