ガートナージャパンは2009年4月1日、2009年の全世界におけるクラウド・サービスの売り上げが前年から21.3%増えるとの予測を発表した。その場合の市場規模は563億ドル(約5兆6300億円)程度になる。「クラウド・サービスの低コスト性はユーザーにとって魅力的であり、その成長を後押しする」とガートナーはみている。2013年に市場は1501億ドル(約15兆円)規模に達するとしている。

 セグメント別では、クラウド・ベースの広告、eコマース、人事管理、支払処理などビジネス・プロセスを提供するサービスの売り上げが最も大きい。2008年には389億ドル(約3兆8900億円)で全体の83%を占めており、2009年には19.8%増の466億ドル(約4兆6600億円)に達する見込みという。

 一方、現在注目を集めているシステム・インフラ関連のクラウド・サービスは初期段階にあると分析する。これらのサービスがクラウド・サービス市場全体に占める割合は2008年は5.5%、2009年は6%と予想する。売上規模は2008年で25億ドル(約2500億円)、2009年は32億ドル(約3200億円)と見込む。

 SaaSを中心とするクラウド・アプリケーション・サービスの規模はシステム・インフラ関連の倍近くあり、その急成長はこれからも続くとガートナーは予測している。

 ガートナーはクラウド・サービスを、スケーラブルなコンピュータ資源や情報をインターネットを介したサービスとして多数の顧客に提供する形態と定義している。