イオンとNTTドコモは2009年3月31日,携帯電話を利用した販促活動を運営する新会社イオンマーケティング(仮称)を5月に設立すると発表した(写真1)。携帯電話を使って,ユーザー個別の趣味や好み,行動パターンに応じたOne to Oneマーケティングを実施する。
「紙のチラシの減少によるコスト低減に加え,顧客の特性に応じた情報提供によって一人当たりの購買単価を向上させるのが狙い」(イオンの岡田元也代表執行役社長)。携帯電話を使った新サービスの販促効果は年間で約400億円,紙のチラシの削減効果は約9億円を見込む。将来は,携帯電話上でのネット販売も展開する。
新会社では,携帯電話用の「イオンモバイル会員(仮称)」をグループの各店舗で募集する。加入時にユーザーから集めた性別や年齢,趣味などの属性情報と,イオン・グループの店舗での購買履歴を分析し,携帯電話にユーザー個別にカスタマイズしたクーポンや商品情報などを配布する(写真2)。店舗や品ぞろえの改善,プライベート・ブランド製品の開発などにも役立てる。サービスはNTTドコモ以外の携帯電話でも利用できるようにする。
将来は,ユーザーの位置情報も活用し,店舗に来店したときに情報を配信するなどの仕組みを検討する(写真3)。NTTドコモの行動支援サービス「iコンシェル」やおサイフケータイを使ったクーポン配布サービス「トルカ」などとの組み合わせも予定している。さらにイオンは,携帯電話用にショッピング・サイトを開設し,ここでの購買履歴と,リアルの店舗での購買履歴を結合させて解析する計画である(写真4)。