日立製作所は2009年3月27日,NTTドコモのLTE(long term evolution)商用サービス向けのイーサネット・スイッチ・ベンダーとして日立電線が選定されたと発表した。同日に日立電線が発表したイーサネット・スイッチの新製品「Apresia 16000」を評価機として納入し,検証を開始したという。装置の開発は日立電線が受け持ち,その装置を使ったシステム・インテグレーションは日立製作所の分担となる。

 今回の製品は,LTEの無線基地局とバックボーンのIPネットワークをつなぐイーサネット網に使われる。このほか,広域イーサネット・サービスなどの固定網にも利用できるという。製品の発売は2009年秋に開始する。

 Apresia 16000は,広域イーサネット網を構築する技術として「EoE」(Ethernet over Ethernet)と「PBB」(provider backbone bridges)を実装している。いずれも,MACフレームをMACフレームでカプセル化する「MAC-in-MAC」と呼ばれる技術である。EoEは日本国内で開発された独自技術で,日立電線のApresiaシリーズでいち早く実装されている。PBBはIEEE 802.1ahとして標準化された技術で,Apresiaシリーズとしては今回のApresia 16000で初めて搭載される。

 このほか,今回の製品はイーサネット上で遠隔の保守・管理機能を実現する標準技術「イーサネットOAM」や,イーサネット・リングで障害時の高速切り替えを実現する独自機能「MMRP2」(multi master ring protocol version2)など,イーサネット網の信頼性を向上する機能を搭載している。

 なお,NECが3月26日に発表したイーサネット・スイッチも,NTTドコモのLTE商用サービスにおける無線基地局とバックボーンをつなぐイーサネット網に採用されている(関連記事)。

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