衛星放送協会は2009年3月26日の記者会見で,第15回定時総会において2009年度事業計画や予算などを了承したを発表した。

 衛放協は,「多チャンネル放送は今こそ次のステップにジャンプしてその存在感を示し,次世代に向けて生き残りを図らなければならない」として,2009年度事業計画の重点目標に八つを掲げた。具体的な目標は,(1)次期BS放送帯域へのCS放送事業者の進出と東経110度CS放送跡地の周波数のハイビジョン化,(2)ケーブルテレビ(CATV)事業者との公正な取引環境の確保,(3)多チャンネル放送研究所の研究活動の深化,(4)配信コストの低減,(5)人材育成セミナーの継続的開催,(6)社会貢献活動の継続,(7)CS放送認知/加入者拡大キャンペーン――である。

 専務理事の林尚樹氏は(1)に関して,「東経110度CS放送事業者が次期BS放送に移行すれば,周波数帯域に余裕ができる。これを使ったハイビジョン化のためにできることはあるのかといったことを考えていく」とした。(2)については,「番組供給事業者はCATV事業者への請求をCATV事業者が申告した加入者数に基づいて行うが,その申告が必ずしも正しくないのではないかと疑われるケースがあった。そうした中で我々とCATV事業者と我々がWin-Winの関係で,多チャンネル業界の拡大に頑張っていく」と趣旨を説明した。

 傘下組織の衛星テレビ広告協議会(CAB-J)の活動計画では,CS放送の特徴をさらに確立してCS放送広告の位置付けを強化したり,機械式接触率調査のデータを整備して客観的で信頼される調査結果として活用したりすることを目標に掲げた。

 なお衛放協が見込んでいる2009年度予算は,収入が3億5000万円(前期繰越金を含む)で,支出は3億2000万円である。