写真1●会見するインテル マーケティング本部ソフトウェア・エコシステム・マーケティング統括部長の下野文久氏
写真1●会見するインテル マーケティング本部 ソフトウェア・エコシステム・マーケティング統括部長の下野文久氏

 「運用管理を徹底すれば,グリーンITにもTCO削減にも目に見えて効果が出る」――。2009年3月26日,シマンテックの運用管理ソフト「Altiris Client/Server Management Suite 7.0」の新製品発表会に出席したインテル マーケティング本部ソフトウェア・エコシステム・マーケティング統括部長の下野文久氏はこのように語り,高度な運用管理に適したIT環境を今すぐ整備すべきと主張した(写真1)。

 運用管理を徹底すると,クライアントPCの電力消費量はどれくらい削減できるのか。これを検証するため,米インテルでは2008年に社内で実証実験を行ったという。

写真2●米インテルが2008年に行った実証実験の結果
運用管理を行った場合の年間の電力消費量(右から2番目のグラフ)は,行わなかった場合(右から3番目のグラフ)に比べ,3分の1程度まで削減できた。
[画像のクリックで拡大表示]

 同じクライアントPC(インテルCore 2 Duo E6550/vProテクノロジー搭載,液晶モニター使用)を,「AMT(アクティブ・マネジメント・テクノロジー)」を利用して運用管理を行った場合と,行わなかった場合とで年間の電力消費量を比較した(写真2)。その結果,前者は229kWh,後者は655kWhとなり,ポリシーに従って電源管理を行えば,電力消費量は3分の1程度まで削減できることがわかった。

 「2008年12月の時点で,インテルは全世界で約4万台のvProテクノロジー搭載のクライアントPCを社内に導入し,徹底した運用管理を実践している。この結果,2011年にはTCOを約100万ドル削減できる見込み」と下野氏は説明する。

 日本のビジネス環境におけるIT資産管理の状況はまだまだ改善の余地がある。「まず現状を把握することがIT環境を最適化するための第一歩。運用管理の導入によって,業務効率化とセキュリティの向上,そしてグリーンITの取り組みを実践してほしい」と下野氏は強調した。