写真●CX2800シリーズの最下位モデル「CX2800/210」。上位モデルにはCX2800/220とCX2800/230がある
写真●CX2800シリーズの最下位モデル「CX2800/210」。上位モデルにはCX2800/220とCX2800/230がある
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 NECは2009年3月26日,次世代携帯電話LTE(long term evolution)のインフラ構築に向くイーサネット・トランスポート・スイッチ「CX2800シリーズ」の販売活動を開始したと発表した(写真)。NTTドコモがこの製品をLTE商用サービスのモバイル網の構築に採用する。具体的には,LTEの無線基地局装置とコア・ネットワーク装置を接続するバックホール回線の構築に使われる。

 今回の製品は,イーサネットをベースにしたオールIPのモバイル網を念頭に置いて開発されたという。LTE以外にも,既存の2G,3G,HSPA(high speed packet access)といった携帯電話網にも対応する。このほか,広域イーサネット・サービスのアクセス網やコア網,FTTHのアグリゲーション網などの固定回線網用途にも使えるという。NECは,NTTドコモ以外にも海外の通信事業者にも展開し,今後3年間で5000台の販売を見込んでいる。

 基本的なインタフェースとしてイーサネットを備え,10GBASE-R×1本,10/100/1000BASE-T×8本,1000BASE-X×8本を搭載している。将来的には,40G/100Gビット・イーサネットにも対応するという。また,イーサネットを使って広域ネットワークを構築できる機能であるIEEE 802.1ah準拠の「PBB」(provider backbone bridges)をサポートする。

 同社によると,LTE網には,PBBなどのイーサネット技術をベースにしたLAN型接続が望ましいという。その理由として2点を挙げている。一つは,LTEでは基地局同士が相互通信するアーキテクチャになっており,マルチポイント・ツー・マルチポイントのパスを容易に実現できるPBBが有利であること。もう一つは,LTEなどのモバイル・サービスでは映像配信が重要なアプリケーションとなるため,LAN型接続のPBBはマルチキャストを実装しやすいということがある。

 このほか,イーサネットで高い信頼性のネットワークを構築するため,ITU-T G.8032準拠のイーサネット・リングや,ITU-T Y.1731およびIEEE 802.1ag準拠のイーサネットOAM(operation, administration and maintenance)などの機能も搭載している。

 価格は最小構成で200万円(税別)から。

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