写真1●「潜在層を開拓し、顧客化を実現 行動ターゲティング最前線」セミナーは東京・港区の東京コンファレンスセンター・品川で開催
写真1●「潜在層を開拓し、顧客化を実現 行動ターゲティング最前線」セミナーは東京・港区の東京コンファレンスセンター・品川で開催

 日経BP社・日経ネットマーケティングは2009年3月24日、「潜在層を開拓し、顧客化を実現 行動ターゲティング最前線」と題したセミナーを、東京コンファレンスセンター・品川(東京都港区)で開催した。

 消費者の嗜好(しこう)性が多様化する中、ユーザーのWebサイトの閲覧履歴や、検索キーワードを基に、最適な広告やコンテンツを配信する行動ターゲティング技術への注目が高まっている。本セミナーでは、行動ターゲティング広告を活用して成果を上げている住信SBIネット銀行や、サイト内改善にも結び付けた全日本空輸(ANA)や、ヤフーなどサービスを提供する企業が講演し、行動ターゲティングの有効な活用方法などを明かした。

行動ターゲティングは
広告を究極の姿に進化

写真2●時事通信社編集委員の湯川鶴章氏
写真2●時事通信社編集委員の湯川鶴章氏

 基調講演では、デジタルサイネージ、アドマーケットプレースなど、今後広がる可能性を持ったマーケティングプラットフォームをテーマにした書籍「次世代マーケティングプラットフォーム 広告とマスメディアの地位を奪うもの」(ソフトバンククリエイティブ発行)の著者である、時事通信社編集委員の湯川鶴章氏が「行動ターゲティング技術で実現するOne to One マーケティング」と題して講演した。

 湯川氏はまず、広告業界で今起こっていることを、パソコンと大型コンピューターに例えた。パソコンが世に出回った当初、大型コンピューターに比べ機能が大きく劣るパソコンが主流になるとは誰も思っていなかったという。しかし、1993年ごろを境にシェアは逆転した。この兆候は10年前には既に出ていたと指摘。シェアの逆転が万人の目に明らかになる前に、起こる変化に気付かないと手遅れになると説明した。広告業界においては、「テレビCMなどのマス広告が崩壊し始める前に手を打たなければいけない」(湯川氏)と、注意を促した。

 続けて、広告業界の周辺における変化について言及した。湯川氏はテクノロジーによってアクセス解析や行動ターゲティング、各種データとの連携をすることで、広告が広告の範囲を越えて、セールス、コミュニケーションが実現できるようになることが、広告業界における変化と位置付けた。漫画「サザエさん」に登場する酒屋の三河屋さんを例に挙げて、サザエさんの家族構成、趣味・嗜好を知り尽くして、タイムリーに商品を届けるといった三河屋さんのようなことが広告でできるようになると説明。それが「広告の究極の姿」(湯川氏)だと主張した。