写真1●丸の内エリアをiPhoneなどの無線LAN端末でナビゲート
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 ワイヤ・アンド・ワイヤレス(Wi2)は2009年3月25日,ユーザーの位置に応じた情報を配信するプラットフォーム「Wi2 Engine」など5サービスを商用化すると発表した。第1弾として,丸の内エリアの商業ビルと観光バスに地域特化型の公衆無線LANを展開。丸ビル内の5階にいるユーザーに,同フロアの地図や店舗情報をiPhone向けに配信するなどのサービスを4月1日に始める(写真1)。

 ワイヤ・アンド・ワイヤレスは,アッカ・ネットワークスを親会社として設立したモバイルWiMAX事業会社アッカ・ワイヤレスを前身とする。2009年1月にイグナイト・グループ傘下のAGSアドバイザリーが株式を100%取得し,社名を変更。ネットワーク・サービス・プラットフォーム事業者として事業を本格化する。

写真2●ワイヤ・アンド・ワイヤレス(Wi2)の事業領域
写真2●ワイヤ・アンド・ワイヤレス(Wi2)の事業領域
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 柱となるサービスは5つ(写真2)。IEEE 802.11n準拠の公衆無線LANサービス「Wi2 300」,同インフラで取得できる位置情報を生かしたプラットフォーム・サービス「Wi2 Engine」,ソフトバンクモバイルの3G網を使ったMVNOサービス「Wi2 Mobile」,およびWi2 Mobileをインフラとする企業向けソリューション「Wi2 Biz」と交通機関向け公衆無線LANサービス「Wi2 Vehicle」である。

 Wi2 300は,最大300Mビット/秒で通信できるIEEE 802.11n準拠の高速無線LANをインフラとする地域限定の公衆無線LAN。「人の動線に展開する」(日比野雅夫社長)のがコンセプトだ。自社で基地局を展開するほか,ローミングを活用して「最大級の公衆無線LANサービス」(日比野社長)を目指す。基本料金は月額105円,通信料金は1パケット0.0015円の従量制で,上限は980円の段階定額制。7月末までに契約したユーザーは,基本料無料,上限490円の料金で利用を継続できる。

 Wi2 Engineは,Wi2 300をインフラとする法人向けサービス構築プラットフォーム。クウジットが開発した無線LANベースの位置情報プラットフォーム「Location Amplifier」を技術的基盤とし「GPSでは不可能な“高さ”方向も分かる正確な位置情報,ユーザーの属性や行動履歴」(日比野社長)などを上位のアプリケーションから利用できるようにする。

 Wi2 Mobileは,ソフトバンクテレコムの3G網を使う法人向けのMVNOサービス。料金は初期費用2700円,月額5480円(いずれも税別)。これにモバイル・ルーターを組み合わせて会議室やイベント会場でのネットワーク・インフラとして使う「Wi2 Biz」,中・長距離バス内で設置し,乗客向けのブロードバンド・サービスとするソリューション「Wi2 Vehicle」を提供する。