写真●火星地表の写真
写真●火星地表の写真
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 米Microsoftと米航空宇宙局(NASA)は米国時間2009年3月24日,惑星の高解像イメージやデータをWeb上で公開する共同プロジェクトを発表した。NASAが所有するコンテンツを,Microsoftの仮想天体望遠鏡アプリケーション「WorldWide Telescope」でアクセスできるようにする。

 両者間で締結した提携(Space Act Agreement)のもと,カリフォルニア州にあるNASAのAmes Research Centerがデータ処理を行う。過去から現在を含め,重要な画像データを様々なフォーマットに変換し,Webでの閲覧や民間での利用に対応するかたちでホスティングする。データ量は100Tバイト以上にのぼり,DVDに換算すると約2万枚に相当するという。

 WorldWide Telescopeでは,今年後半にこれらデータを統合する。火星探査機「Mars Reconnaissance Orbiter」から送られてきた画像や,今年5月に打ち上げ予定の月探査機「Lunar Reconnaissance Orbiter」で撮影する画像も含む。

 WorldWide Telescopeは,Windowsパソコン向けソフトウエアとして昨年5月にベータ提供を開始した。今回Web版をリリースし,Mac OS搭載パソコンでも利用できるようになった。現在,クラウド・コンピューティング環境に25Tバイトのデータを所有している。Web版を使うには,「Silverlight 2.0」が必要。

 なお,米Googleの衛星写真/3次元(3D)地図画像表示ソフトウエア「Google Earth」でも,火星の仮想探査機能「Mars in Google Earth」を提供している。3月13日に,Mars Reconnaissance Orbiterなどから送られてきた画像を表示する「Live from Mars」レイヤーを追加するなど,機能強化を図っている(関連記事:Google,仮想火星探査機能「Mars in Google Earth」を強化)。

[発表資料(1)] [発表資料(2)]